目打ちの話 Blanchard #12

手縫いの革製品を作る際に必要な大切な道具があります。
それが「目打ち」という道具です。
目打ちとは、革に縫い糸を通す穴をあける道具です。
革はそのままでは分厚く頑丈なため、普通に手で針を通すことが出来ません。
その為、目打ちという道具で革に穴を開けてから糸で縫う作業を行います。

 

Maison Methuselahで使用している目打ち


目打ちにはいろいろな種類があり、使用する目打ちによってステッチの幅や角度が決まります。
日本では、菱形の穴をあける菱目打ちという道具が一般的です。
Maison Methuselahでは一般的によく使われている菱目打ちではなく、ヨーロッパ目打ちと呼ばれるタイプの目打ちを使用しています。
ヨーロッパ目打ちとは、 ////////// ←このような感じで細い斜めの穴があきます。
名前の通りヨーロッパで多く使われているタイプの目打ちです。
Maison Methuselahで使用している目打ちはフランスの老舗メーカーBlanchard社の目打ちを使用しています。
Blanchard社の工具はエルメスやモラビトの職人等にも愛用されており、レザークラフト工具の中でも最高峰のものです。
非常に高価な道具ですが、世界最高メゾンの職人から愛されているだけの価値があります。
無駄に大きな穴があかない為、革へのダメージも少なく済み、目が詰まった非常に美しい斜めステッチが縫えるのです。
国産の目打ちでは製造していないような細かいステッチ幅も存在しています。

職人の腕次第では、まるでミシンで縫ったような正確で美しいステッチが完成します。
エレガントな小物のステッチを縫うには必須の道具です。
あなたの身の回りにある革製品の「ステッチ」は、どんなステッチですか?
普段はあまり意識することのない「ステッチ」も、注意して見てみると新たな発見があるかもしれません。
あなたの周りにあるいろいろな革製品。これからは縫い目も意識して見てみてくださいね。

Maison MethuselahのデザイナーMASATAKAです。 生涯寄り添いたい革製品をコンセプトに活動しています。 世界中から選びぬいた最高の素材を用いて、美しい手縫いの革製品を製作しています。
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